インプラント治療後に矯正はできる？

結論から言うと、可能です。しかしこれにはいくつかの条件があり、以下のような場合は歯列矯正が難しい可能性があります。

・インプラントの本数が多い

インプラントの歯は、矯正をしても動かせません。なぜなら、歯を動かす役割を担う歯根膜がないためです。インプラントの本数が多く、口内にまばらに点在していると動かしたい歯の動線の邪魔になってしまい、理想の位置へ動かすことはできません。

もちろん、たとえインプラントの本数が多くても動かしたい歯の動線に絡まない場合は矯正治療できる場合があるため、まずは一度歯科医院に相談しましょう。

・どちらも同時に行いたい

基本的に、インプラント治療と矯正治療を同時に行うことはできません。なぜなら、インプラントは手術後、骨と結合するまで数ヶ月は待たないといけないためです。治療途中で矯正器具をつけてしまうと大きな負荷がかかってしまい、うまく骨と結合できなくなる可能性があります。

どちらの治療も行いたいという場合、まずは矯正治療を行い、その後にインプラント治療を始めることをおすすめいたします。

インプラント矯正とは？

「インプラント　矯正」で検索すると「インプラント矯正」という言葉が出てくることから、「インプラントをした歯の矯正」と勘違いしてしまう方は多くいらっしゃるかと思います。しかしそれは間違いです。

インプラント矯正とは、矯正歯科用に作られた小さなスクリュー（インプラント）を歯ぐきに埋め込み、そこを固定源として歯を動かす矯正方法です。通常の歯列矯正では動かせなかった奥の歯を移動させたり、あごを広げたり、1本だけを自由に動かしたりすることが可能なため、通常では抜歯しなければならない症例でも非抜歯で治療が可能です。また、ガミースマイルのような、難しいといわれていた症例も治療が可能になり、治療期間も短くなることから、新しい矯正治療として注目されています。

つまり、人工歯を埋め込むインプラント治療とはもちろん、インプラントの歯を矯正する治療法でもありませんので、間違えないようご注意ください。