噛み合わせを判断する6歳臼歯について

6歳臼歯とは乳歯の奥に生える永久歯を指し、この歯は通常6歳ごろに生えてくることから「6歳臼歯」と呼ばれています。6歳臼歯は噛み合わせの基準となる歯で、噛み合わせが正常かそうでないかは、6歳臼歯の位置で判断されます。

6歳臼歯がまだ生えていない小さな子どもの場合、一番奥にある乳歯「E」の位置で噛み合わせを判断します。一般的に、Eの噛み合わせが上下で一致していれば正常だといえます。

アングル（Angle）の分類

6歳臼歯の位置で噛み合わせを判断する際に用いられる基準が「アングル（Angle）の分類」です。

アングルの分類では、6歳臼歯の噛み合わせの位置により以下の4つに分類して、正常かどうかを判断します。

1級

上下の6歳臼歯が正常な位置で噛み合っています。

2級1類

下の6歳臼歯が上の6歳臼歯より後ろで噛み合っており、上顎が前突しています。口呼吸が習慣化している場合も少なくありません。

2級2類

下の6歳臼歯が上の6歳臼歯より後ろで噛み合っており、上の前歯が舌側へ傾斜しています。こちらは正常な鼻呼吸が可能です。

3級

下の6歳臼歯が上の6歳臼歯よりも前で噛み合っています。

歯科医師に診せる時期

子どもの歯並びや噛み合わせが気になる場合、矯正歯科の診察を受ける適切な時期は、小学校低学年（7～8歳）です。この時期には4本の6歳臼歯と8本の前歯が生え揃いますので診断しやすく、治療計画が立てやすいです。

7～8歳で受診することで、以下のような問題の早期発見ができます。

叢生（そうせい）

歯が重なり合うことで歯並びが凸凹になっている状態で、乳歯間の隙間の有無で将来的な叢生の可能性を判断できます。

反対咬合（はんたいこうごう）

前歯の位置や6歳臼歯の噛み合わせで判断し、骨格への影響も早期の検査で診断可能です。

出っ歯

歯だけが出ているのか、下顎が後退しているのかで治療法が異なるため、早期の検査を推奨します。

乳歯の生え変わりについて

乳歯には永久歯が生えるスペースを確保する役割があり、乳歯が適切な時期に生え変わることで、永久歯は正常な位置に生えることが可能です。

乳歯の生え変わり時期には個人差がありますが、おおむね乳歯は6歳ごろから抜けはじめ、8歳ごろまでに上下の前歯8本が生え変わります。その後10歳ごろから残りの乳歯が抜けはじめ、13歳ごろまでにすべての乳歯が生え変わるのが一般的です。

正常な生え変わりが起こらない原因には「先天的に永久歯がない」「過剰歯があり永久歯が生えるのを妨げている」「単に遅れているだけ」などが考えられます。乳歯の生え変わりに関して気になることがあれば、小児歯科を受診してください。