インプラント
はじめに・・・院長のひとりごと
1. インプラントのお話の前に
私がまだ歯科部の学生だった頃のことです。大学の休暇中で、久しぶりに実家に帰って家族で食事をしていると、突然「あいた!!」と言って母が口の中から何かをはき出しました。
それは歯の根が折れて、その中に埋め込まれた小さなマグネットが取れてきたのでした。
皆さんご存知でしょうか?総入れ歯を安定させるために、小さな磁石を、入れ歯と根の双方に埋め込み安定させる方法を!
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母は取れた歯とマグネットを手に取りながら「あ〜あ、これ結構高かったんだけどな〜」と言って寂しそうに見つめていました。 私は愕然としました。歯が折れたことにではありません。 歯科医師会では8020運動と言って、80歳で20本の歯を残そうという運動が展開されていたのに、まだ母は50歳になるかならないかで、もう全ての歯を失ってしまったのです。 そしてその時まで私は母のお口の中の状況に何一つ関心を払っていなかったのです。 取れた歯とマグネットを愛おしむように見る母がなんと小さく見えたことか・・・
当時、私の母は、看護師をしておりました。ご存知かと思いますが、病院は24時間営業ですから、看護師さんたちは夜勤などで生活が不規則になる中でストレスがたまり、どうしても口腔内の状況が悪くなりがちです。 しかも母の場合は60歳の定年を迎えるまで3交代制の中で働き、老人介護や夜勤、深夜勤をこなすハードな毎日を送っていました。 後で知ったことですが、主任さん・婦長さんになればもう少し楽な勤務に変わることもできたようですが。そうなるためには、資格が必要で、二人の子供と夫の両親を抱えて、試験を受けるための時間的、費用的な余裕がなかったようです。
その上、父は船乗りで、一端家を空けると10ヶ月ぐらいは帰ってこないことはざらでしたから、二人の子供を親元から離れて大学と専門学校に通わせ、父の両親と同居している母の苦労は並大抵のものではなかったと思います。でもいつもニコニコして、そんな苦労は子供たちには一切見せない人でした。
そのような状況の中で母は完全な総入れ歯の状態になり、最後の頼みの歯の根っこも抜けてしまったのです。母は言いました。 「しょうがないよ〜私は歯性が悪いからね〜でも入れ歯だと噛みづらくてね〜」その時、私は母に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。 「母ちゃん!ごめんな〜」でも、この一言は言えませんでした。
その代わり「よーし、早く一人前に歯医者になってしっかりした入れ歯を母ちゃんに入れるよ。そして大好きなイカでもタコでもバリバリ食べられるようにしてやるからね〜」と誓ったのです。
2. 母とインプラント
その後、私は大学を卒業し関東での勤務生活を終え、地元に帰って開業しました。 それなりに入れ歯の勉強もし、自信もあったので、早速、母に入れ歯を作りました。考え得る最高級の印象剤(歯型を取る材料)を使い、細心の注意を払って噛み合わせを適合させ、あごの限界運動を測定し、その結果を入れ歯の歯並びに組み込みました。 私は自信満々で母に尋ねました。
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私「どう?」
母「いかんわ〜噛めん」 私「噛めんことはないやろ〜最高の材料使うとんで〜」 母「いや噛めん。特に硬いもんは噛めん。イカやタコは噛めん」 私「そうか〜」
がっかりです。でも私より母の方ががっかりしていたに違いありません。
その後も入れ歯を手直ししたり、もう一つ新しいのを作ったりしましたが、柔らかいものは結構食べられるのですが、母の好きな硬いものになると今ひとつしっくりいきませんでした。やはりこれは総入れ歯の限界では無いかと思い、母にある一つの提案をしました。
私「母ちゃん、インプラントって聞いたことあるか〜?」
母「知らん」 私「ほらこれ見て、チタン製のねじをアゴの骨の中に直接ねじ止めして、その上の歯を作るやり方なんよ」 母「なんだか怖いね〜」 私「確かに手術を伴うから、後で腫れたり痛んだりすることはあるけど、最近のインプラントシステムはしっかりしているから成功率はすごく高くなってるんよ。それにこの方法だと入れ歯がしっかりとアゴに固定されるから母ちゃんの好きなイカでもたこでも硬いものが好きなだけ食べられるようになるよ。何でも食べて若返るよ〜。」 母「調子のええこというて〜。でもおまえを信じているからまかせるよ。よろしくお願いします。」
こうして母はインプラント療法を受けることになりました。二度の手術と仮歯の期間を経て、いよいよインプラントの入れ歯をセットした時のことです。母の、心のそこからの感謝の言葉を聞きました。
母「インプラントしてくれてありがとう。家に帰って食べてみたら、イカでもたこでもおつけものでも硬いものでも何でもバリバリ噛めて食べられたよ。本当にありがとう。感謝してます。」
そういいながら母の眼は少しうるんでいるように見えました。私の胸の中に温かいものがこみ上げてきました。学生時代のあの日誓ったことが今、実現されたのです。長い年月の母の苦労に少しでも報いることができたら…その思いでここまで来ました。そこで思わず私は言いました。
私「俺が歯医者で良かったやろ!何でも食べられるようになって!」
母「そうやね〜でも、私がそうなるように育てて、仕送りもしたから歯医者になれたんやろ!!」
はい、その通りです。私の負けです。これからも何でも好きなものをバリバリ食べて、いつまでも若々しく元気でいて下さい。
3. 人を元気にする若返らせるインプラント療法とは
入れ歯は噛みにくいだけではなく、精神的にも老けた気分になりがちです。 インプラントを行い、しっかりと噛めるきれいな口元が回復し、見た目も気分も若返ったと喜ばれている方が大勢います。 歯を失った野生の動物は生きる気力を失いすぐに死んでしまうそうです。 歯で物を噛んで食べるという行為は人間が動物として行う最も基本的な生きるための行動です。 その機能が失われてしまった時の寂しさは言い尽くせないものがあると思います。
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歯を失った方の多くは、噛めない、しゃべりにくい等の不便さを味わうだけでなく、老いを感じてしまう、おじいさん、おばあさんになってしまった気がする、と言われています。 歯を失う喪失感は、日常生活にも、かなりの影響を与えます。入れ歯のせいで、食事や会話が億劫になってしまった。旅行に誘われても、義歯を外した顔を見られたくないから行くのをためらってしまう等、日常生活が暗いものになってしまうこともあります。 中には体の衰えを意識しすぎたために、更年期の症状が悪化してしまう場合も。そんな場合には、インプラントを行い「昔のような歯に戻った」ことで、「体まで若返った」ような気分になれた、入れ歯を気にすることなく、思い切り笑って、思いっ切り食べることができる事で、毎日が明るく楽しいものになったという方が、大勢います。
インプラントで歯を回復するといわゆる入れ歯のような違和感のある金属や留め金、大きな床の部分がない、白くきれいな歯を作ることができます。インプラントの「歯」にあたる部分は通常、セラミックという材料で作られています。セラミックはご存知の方も多いとは思いますが、陶器と同じようなものです。
職業的に口元の美しさ、美に対する意識の高い、芸能人やモデルの方が、歯科治療の際に選択されている歯科材料です。透明感があり、艶やかできれいな歯を作ることができます。また、セラミックは美しい歯を再現できるだけでなく、歯科材料としても、優れた特徴をもっています。生体への親和性に優れ、硬度が高く丈夫で、変色しない材料です。色調等も自由に選択できるため、輝くような白い歯から、まわりの歯にあわせたナチュラルな色調まで、お好みの色で、歯を作ることができます。
インプラントで歯を回復すると、きれいで違和感がないだけでなく、しっかりと噛めるようになります。噛む度に顔の筋肉が使用されるため、表情筋の衰えを防ぐ効果もあり、美容・健康の維持・向上に役立ちます。また、しっかり噛む事は、消化を助け、同じお食事の量で満腹感を得られやすいことから、肥満の予防にも通じます。きれいな歯を回復し、義歯の悩みが解消されると、表情まで自然と明るくなってきます。 私の母のようにインプラント療法によって失った歯を回復することで、本当に健康で豊かで美しい人生も回復することができると私は信じています。 (院長 松原弘樹)
インプラントってご存知ですか?
例えば、虫歯で歯を抜いたり、事故などで歯が抜けてしまった場合、あなたならどうしますか?抜けたまま放置していると、歯並びが悪くなったり噛み合わなくなってしまい、顎の骨が痩せてしまったりします。 歯のない所を修復する治療には部分入れ歯やブリッジなどもありますが、いちいち取り外してお手入れをしなければならなかったり、健康な歯を削らないといけなかったりといった欠点があります。 インプラントはいったん失ってしまった歯を蘇らせる治療法です。 顎の骨に身体になじむ素材で作られた人工の根を埋め込み、その上に人工歯を固定する新しい医療技術がインプラント治療です。現在では1本だけ歯がない場合から全部の歯がない場合まで、前歯も奥歯も適用できるようになりました。当院では、80歳の高齢の方もインプラントで噛む力を回復しています。 インプラントは、自分の歯のような使用感で違和感もほとんどありませんし、健康な歯への負担もありません。普通の天然の歯とほとんど変わらない自然な感じがインプラントの利点です。
インプラントの治療方法・簡単な治療の流れ
インプラントとは、チタンでできた人工の歯根を顎の骨に埋め、その上に人工の歯冠を取り付ける治療方法です。インプラントの手術は3段階(2段階もあります)に分けて行われます。
(1) チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込みます。人工歯根と骨を結合させるために上顎骨で約4ヶ月から6ヶ月、下顎骨で3ヶ月から6ヶ月の治癒期間が必要です。
(2) 骨と結合した頃、人工歯根の上部に人工歯を取り付けるための土台を取り付けます。
(3) その上に人工歯を取り付けます。
インプラント手術の際の身体への配慮
インプラントは手術が必要になりますので、身体への影響について不安を感じる患者様もいらっしゃると思いますが、現在当院で使用しているインプラントの成功率は96~98%という高いデータが報告されており、十分に滅菌管理された専用の手術衣・手術器具を用いて行いますので、身体に配慮された手術となります。また、高血圧や糖尿病などといった一般的にリスクがある方でも担当医と連携して治療を行うことによりインプラント手術の適用範囲は広がっています。
インプラントの手術後
手術後は鎮痛剤を処方いたしますので、個人差もありますが痛みはほとんど無い場合が多いようです。また、腫れる場合もありますが、大きく腫れるわけではなく、1週間から10日前後で自然と治ります。
手術翌日から通常通りの生活が可能です。
メンテナンス
歯科医院での定期健診は歯を長持ちさせるために、お口の健康管理として、とても大切なことですが、インプラントを入れた方は、よりいっそう丁寧なメンテナンスが必要です。残った歯や骨や歯周組織の状態、お口全体の衛生状態、全身の健康状態などを良好に保つことが、インプラントを長期にお使いいただくためには是非必要なのです。 なぜなら人工材料であるインプラントは神経がないため自覚症状がでません。免疫応答により自分自身を守ることもできません。もしインプラントにばい菌がついて化膿しても、すぐには気づかず膿が出たり、インプラントがぐらついたりしてから気づくことが多いのですが、それでは手遅れになってしまいますので、定期的なチェックが必ず必要です。 術後は指示された期間ごとに、インプラントの状態、そのまわりの歯ぐきの状態、噛み合わせなどをチェックします。同時にインプラントやお口全体の専門的なクリーニングを歯科衛生士が行います。 インプラントは乳歯・永久歯に次いで第三の歯とも言われています。定期健診をきちんと受けることによりインプラントが長持ちし、あなたにとって本当にワンランク上の快適なライフスタイルを手に入れることができるでしょう。
インプラントのメリットデメリット
【メリット】
健康な歯を削る必要がない
(残っている歯を守る)
入れ歯よりも咀嚼能力に優れている
骨が痩せるのを防げる
見た目の良い歯(人工歯)を装着できる
【デメリット(リスク等)】
保険がきかない(自由診療)
手術が必要になる
治療期間がブリッジ等に比べ長い
術後はメンテナンスが必要になる
術後痛み・腫れが出る可能性がある
インプラント費用・料金
インプラント治療にかかる費用(価格)・料金体系について
治療前に必ず必要費用の総額をお出しします!
初診相談:無料
術前の歯科用CT撮影を含む診断料:30,000円
インプラント手術費用~最終被せ物:27万円~50万円/1本
仮歯:1万円/1本
高松でインプラント治療をお考えならサンシャイン歯科へ
インプラントはメリットがたくさんある一方で、保険適用外のため高額になるというデメリットもあります。インプラントの費用相場は本数や人工歯の材料・手術の形式などによって異なるため不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。
高松にあるサンシャイン歯科では手術前に治療内容や最終的な正確な料金の見積もりを提示しております。インプラント治療の他、矯正歯科や小児歯科などにも対応しておりますので、高松で歯医者をお探しの方はまずはお気軽にお問い合わせください。