2020.6.15

『保険の治療と自費の治療は何が違うの?』

 歯科で虫歯を治療すると、詰物の種類を選ぶことになると思います。保険でも自費でも場所によって使える素材は異なりますが、保険の場合は奥歯なら銀歯、前歯なら銀にプラスチックを焼き付けた前装冠という素材になります。また一部の歯にはCADCAM冠と呼ばれる白いセラミックと樹脂を混ぜた素材も使えます。自費の場合は、Goldやセラミック、ジルコニア、メタルボンド等様々な種類のものがあり、多くが審美性や機能性に優れたものになります。保険と自費、それぞれの詰物に関して簡単に特徴をまとめます。
【保険の詰物】
・保険が使えるのでコストを抑えられる。
・保険の詰物を噛むという事だけを優先して使える素材が決められているので、審美性やメタルによるアレルギーのリスクがあまり考慮されていない。
・銀は金属の特性として歯より硬いので、衝撃を受けたり、強い力が加わると歯自体が割れたりしてしまうリスクがある。また、水にも溶けやすいので金属アレルギーのリスクや溶けた銀が歯ぐきに入り込み、歯ぐきを変色させてしまうリスクもある。
・型取りで使える素材が決まっており、高密着な物ではないので、歯と詰物の間に小さな隙間が出来やすく、被せた中が虫歯になりやすい。
【自費の詰物】
・保険が使えないのでコストが高くなってしまう。
・審美性や機能性に優れたものが多く、見た目が綺麗に仕上がったり、強い力が加わっても歯へのダメージを軽減できたりする。
・メタルフリーの素材も多く、金属アレルギーや銀による歯ぐきの変色リスクを減らす事ができる。また、金属アレルギーにすでになっている人でも使える。
・詰物の型取りに使用する素材も高密着のものが使えるので、歯との接着面に隙間が出来難く、中が虫歯になり難い。
こうして見ると、自費に関しては金額も上がってしまいますが、その分性能も上がる事が分かります。決して保険の物が悪いわけではないのですが、長い目で見たときに、一時的な負担を抑えた為に、将来健康面や審美面でのダメージを受けたのでは、割に合いません。大切な一生もののお口の事です。よく考えて治療を選択して頂ければと思います。