2018.9.15

インプラントの歴史

みなさんこんにちは。サンシャイン歯科の笹井です。9月に入ってもまだまだ暑い日が続きそうですね。学校も始まり、忙しい日常がスタートした方も多いと思います。しばらくは大丈夫だとは思いますが、急に気温が変化しやすい季節に入っていきます。体調管理に気を付けて毎日頑張りましょう!さて、今日はインプラントの歴史のお話です!

 

『え!?こんなに古くからインプラントは存在したの!?』

インプラントと聞くと最近の治療法の様に感じますが、実は紀元前の遺跡から、インプラントを試みた形跡が発見されています。最も、当時はインプラント言っても噛めるようにするための物ではなく、儀式等の為に使われていた可能性が高いようです。材料は石で出来ていて、紀元前550年にトルコの遺跡で発見されています。実際に噛めるようにする為のインプラントとしては、紀元600年程にマヤ文明で発見された真珠貝製のものが最も古いとされています。抜けてしまった歯の部分に、石や骨等の材料を埋め込んで噛めるようにするという発想はあっても、麻酔もない時代に、痛みに耐えて実行している事はすごいですよね。

 

『近代のインプラントは試行錯誤の連続!?』

その後、時代は流れ、近代に入ると金やエメラルド、アルミニウムなど様々な素材を埋め込んだ治療が行われましたが、どれも長期的に噛めるものではありませんでした。他にステンレスやコバルトクロム、金、サファイヤなどを利用したインプラントが試みられたようですが、これらの予後は悲惨なものだったようです。チタンとは違って、骨と結合することはなかったことが根本的な原因でしょう。高価な素材を使って行われていたインプラントでしたが、なかなかうまくはいかなかったようです。

『偶然の発見!?チタンの登場でインプラントの歴史が変わった!!』

1952年にスウェーデンの学者であるペル・イングヴァール・ブローネマルク教授は、微細血流の研究のため、ウサギの骨にチタン製器具を埋め込んだ実験を行っていました。研究終了後に埋め込んだ器具を取ろうとしたところ、骨としっかりと結合し、取り出すことができませんでした。この偶然の発見から、チタンが骨と結合する事をインプラントに生かそうと研究を始めた事で、インプラントの歴史は大きく前進します。今でも、インプラント体はチタン製のものが使われており、博士の発見がインプラントの礎となっています。

 

『食事を楽しみたい気持ちは今も昔も変わりません!』

歯を失ってしまった方の多くが、食事の楽しさの減少を感じています。入れ歯では固いものが噛めないし、柔らかいものでも隙間に挟まると痛いし、温度も感じにくい。食事に制限がかかることで、今まで食べられていたものが食べられなくなるというストレスになります。きっと、昔の人々も、歯を失ってもかつての様に噛んで食事を楽しみたいという情熱が様々な治療への原動力となったのでしょう。歯は失うと生えてきません。今ある歯をしっかりメンテナンスして大切にしていきましょう。